育児放棄・家事をしない妻と親権を争いたい

離婚をするにあたり、子どもの親権者を父親とするか母親とするかは、極めて重大な問題です。お子様の親権者を決めない限りは離婚が出来ず、話し合いで解決が付かない場合には、裁判所に調停を申し立てる必要がありますし、調停で解決がつかなければ裁判で親権者を決めることになります。

では、もし母親が家事をしなかったり育児放棄をしていたら、父親は有利に親権を争うことが出来るのでしょうか。

親権において、裁判所が重視するポイント

ここで、まずは親権者を決めるにあたって、裁判所が重視するポイントを見ておきましょう。

【裁判所が重視するポイント】
①これまでの監護状況
②別居後の監護状況
③非親権者との面会交流の内容・頻度
④周囲のサポートの有無
⑤心身の健康状況
⑥子どもの意見

家事をしない、育児をしないという点は上記のポイント①と②に関係しています。家事と育児は密接に関連しているものの、親権の争いですから、特に重視されるのは家事よりも育児です。例えば、家の掃除をしないというのは家事の問題ですが、子どもに食事を作らないというのは育児の問題と言えるでしょう。

 

実際に親権が争いになるケースでは、これまでの監護状況として、子どもの育児をどちらが率先して行ってきたのか、具体的にどのお世話を誰が行ってきたかについて、裁判所に報告をしなければなりません。

親権争いで有利に働く事情

母親が行う家事・育児が不十分である場合、それをカバーするために父親が担う家事・育児が相対的に増えているはずです。とはいえ、特に子どもが幼い間は、必要なお世話は多岐にわたりますから、沢山あるお世話のうち一部だけを父親が行っていたというのでは、結局「母親が殆ど育児していた」と判断されてしまいます。親権の争いで有利に働くのは、
・子どもの食事を用意したり、お風呂に入れたり、おむつを替えるのは全て父親がしていた
・子どもの保育園・幼稚園の送迎、連絡帳の作成を父親が行っていた
・休日子どもと遊ぶ、どこかに連れて出掛けるのは父親だった
・母親は頻繁に外出していて、家にあまりいない。
・母親が自宅にいてもネットやゲームに夢中になっていて、子どもの面倒をみない
といった事情があれば、母親は育児を放棄していた、父親が殆ど育児を行っていたと判断されて、父親が親権を取得できる可能性が高くなります。

当事務所で父親が親権を獲得できたケース

これまで当事務所が父親の親権を獲得できたケースでも、
・母親がキャバクラで仕事をしており、日中は寝ていることが多く、夜になると出勤して自宅を空ける。家に帰ってこない日もあった。
・幼い頃から、家事・育児は半々で分担していたが、休日になると子どもと出掛けるのは常に父親で、子どもから学校や友達の相談も良くされていたため、子どもの信頼も厚く、父親と生活することを希望した。
といった事情が認められています。

 

もしかすると、母親は調停や裁判において「今後は生活を改めて、育児をしっかり行って子どもとの時間を多く持つようにする。」と主張するかもしれません。ですが、これまでの育児実績がなく、「今後の生活を改める」という言葉の裏付けもないのに、母親の言葉を鵜呑みにするような判断は裁判所も出しにくいでしょう。
また、上記のポイント⑥について、子どもの年齢が高くなればなるほど、子どもの意見が重視されます。父親が主に育児をすることで、子どもと接する時間が長くなり、子どもからの信頼も厚くなりますから、子ども自身が父親を親権者として選ぶ可能性も高くなります。

親権を獲得するために気を付けるべきこと

気を付けなければならないのが、主張には立証が付いてくることです。ただ「母親や育児をしない。父親こそが育児をしてきたのだ」と主張するだけではなく、これを証明する資料や証拠を準備しなければなりません。
母親は母子手帳や保育園との連絡帳、子どもと遊んだときの写真など、母親が育児をしてきたことを示す資料や証拠を持っていることも多いですから、父親も
・子どもや母親とのLINE・メールのやりとり
・母親のツイッターやインスタグラムのスクリーンショット
・父親が付けた育児日記や連絡帳
・父親と子どもとの写真
・母親の育児放棄を示す写真(生活状況の写真)

といった資料・証拠を積極的に準備しましょう。

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弁護士法人アイリス

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