面会交流の実施に問題がある方へ

離婚調停や面会交流調停で子どもとの面会について調停調書に定めたのに、その後の面会がうまく

いかないというケースが多く見られます。

このような場合にどうすればいいのか、法的にどのような手段があり得るのかについて、解説して

いきます。

1.面会交流の間接強制とは

(1)強制的に会わせることはできない

子どもとの面会を強制的にすることはできません。

子と親の面会という性質上、直接強制にはなじまないからと言われています。

(2)間接強制という手段

そこで、間接強制によることが考えられます。

間接強制というのは、簡単に言うと罰金のようなもので、面会できなかったことについて、一定の

金額を支払わせるという手続きです。

(3)間接強制をするためには?

では、どのような場合に間接強制をすることができるでしょうか?

調停調書があれば常に間接強制をできるわけではありません。

法的にいうと、強制執行の根拠となる債務名義(調停調書、和解調書)に具体的給付内容が特定さ

れていなければなりません。

簡単にいうと、強制執行できるように詳細に内容を定めておく必要があるということです。

この点について、平成25年に最高裁が以下のような判断をしています。

「監護親に対し非監護親が子と面会交流をすることを許さなければならないと命ずる審判におい

て、面会交流の日時又は頻度、各回の面会交流時間の長さ、子の引渡しの方法等が具体的に定めら

れているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合は、上記審判に基づき

監護親に対し間接強制決定をすることができると解するのが相当である。」

①面会日時

②面会頻度

③面会時間

④子の引き渡し方法

上記4点が調停調書に具体的に定められている必要があります。

この具体的内容をどう定めるかは実は難しく、間接強制を認められなかった例も多数存在します。

間接強制を視野に入れた面会の合意は容易ではなく、弁護士に相談されることをおすすめします。

(4)子どものためにどうすればいいか

間接強制という手段があるのは上記のとおりですが、子と親の面会ということを考えるには、子ど

ものためにどうすることが最適なのかを具体的に考えていく必要があります。

間接強制をしても、根本的な問題が解決するとは必ずしもいえません。もちろん、公的に執行でき

る可能性があること、それを裁判所が認めていることには重要な意味があります。

間接強制をする可能性があるような事案では、そもそも面会について紛争になっているケースで

す。このような場合に離婚後の面会のルールをどのように定めていくか、子どもの年齢、意思も考

慮して、スムーズな面会をできるように面会の方法をあらかじめ考えていかなければならないと思

います。

 

2.面会交流を拒否すると訴えられるのか?

面会交流を拒否された場合に慰謝料を請求したい、またはされたと相談されることがあります。

慰謝料は不法行為により精神的苦痛を受けたとして、相手に対して損害賠償を請求することです。

しかし、面会を拒否すれば常に慰謝料が認められるわけではありません。

慰謝料が認められるには、不当な面会の拒否であり、違法性が強いことが必要になります。

正当な理由なく長期間にわたり面会を拒否したケースや、面会について調停で具体的に合意したに

もかかわらずその履行を拒否したという場合に慰謝料が認められる可能性はあります。

 

3.モラハラを理由に面会を拒否できるのか?

面会交流を拒否してもいいかという相談は非常に多くあります。

面会交流というは、一般的に親の権利というだけでなく、子どもの成長に不可欠であるという視点

から面会はさせなければならないと言われています。

そのため面会を拒否できるケースは限られてきます。

拒否できるケースとしては、子どもに暴力をふるったりする場合や、連れ去りの可能性があるケー

スでしょう。

では、モラハラの場合はどうでしょうか。

現在の裁判実務では、モラハラを理由にした面会拒否はそう簡単には認められないのが実情です。

モラハラは直接的な暴力があるわけではなく、裁判所になかなか内容を理解してもらいにくいとい

う側面があります。

特に裁判所は、面会をさせる方向で調整をしてきます。仮に面会をさせるにしても、どのような内

容でしていくかを、しっかりと主張していく必要があります。

面会は非常にナイーブなもので、自分だけで適切な主張をしていくことは非常に難しいと思いま

す。ただ拒否をしているだけでは、逆に不利な結論になる可能性もあります。面会の条件や、子ど

もの年齢に従って変化させていくなど、できるだけ負担にならない面会方法を模索していくべきで

しょう。

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