子の連れ去りについて

近年、父も母も親権を希望するケースが増えており、

これに伴って子の連れ去りを強行して問題となる事例も増えています。

①別居の際に子どもを連れて出て行った場合

離婚が成立するまでの間どちらが子どもを引き取るのかについて、

別居前に両親で話し合いをして決めておくことが一番です。

ただ、常に話し合いが持てるとも限りません。

両親が別居をするということは、必ずどちらか一方の親とのみ同居することになります。

連れて出て行った親が同居中に主として養育していた親であれば、

子どもにとって不利益になりにくく、むしろ両親が家庭内で不仲である場合には、

子どもは敏感に親の様子を察知して、

子ども自身が不安定になってしまうこともありますので、

別居すること自体が子どもにとって利益となると言えます。

ですから、別居の際に子どもを連れて出て行った場合、

それだけで不利に働くことはなかなかありません。

ただし、

・親権が大きな争いになっているにもかかわらず子どもを連れて出て行った

・子どもが嫌がっているのに無理やりに連れて出て行った(子どもの意思を無視した)

・幼稚園・学校の外で待ち伏せして無理やり連れて帰った

などでは、出て行った状況等その他の要素も絡んでくるものの、

場合によっては親権争いで不利に働くこともあり得ます。

時間はかかるものの、問題のある連れ去りと判断され、

終局的に親権争いで不利にならないためにも、

話し合いで監護者を決めることが出来ない場合には、

監護者指定の調停を申し立てることをおすすめします。

②別居後相手のもとで生活をしていた子供を連れ戻した場合

別居後に相手のもとで生活していた子どもを連れ戻す行為は不当な行為とされており、

親権者として適格性がないと判断されます。

その一方、連れ戻した行為に問題があったとしても、

連れ去った親との同居期間が長くなり、

子どもがその親との同居生活に馴染んできてしまった場合には、

再び子どもを元の環境に戻すこと自体が子どもに無理を強いることになると判断され、

親権者として連れ去った親の方が有利になってしまうことがあります。

ですので、万が一、連れ去られてしまった場合には、

一刻も早く子の引き渡し審判・審判前の保全処分・監護者指定の申立を行う必要があります。